まつだ眼科形成外科|東京都狛江市

眼科一般診療をはじめ、まぶたや涙目に対する高度な治療を行います。

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ミュラー筋タッキングの例

プレゼンテーション1
前回、切る眼瞼下垂手術のバリエーションについて解説いたしました。本日はそのうちの一つであるミュラー筋タッキングを行った例についてご説明します。

術式選択の際、当院では矯正力の高さ(まぶたを挙げる力)、結果の安定性(再発の少なさ)の観点から挙筋腱膜前転を第一選択としています。しかし、以下に述べるような状況の場合にはミュラー筋タッキングを選択することがあります。
下垂の矯正力はミュラー筋に比べて挙筋腱膜のほうが高い傾向にあるため、軽度の眼瞼下垂例では、ミュラー筋タッキングの良い適応となる場面があります。また時として、ミュラー筋のほうが牽引力が強い例が稀にあり、その際にはあえてミュラー筋タッキングを選択することがあります。
まぶたの生理的カーブ形状の出しやすさの点ではミュラー筋が非常に優れており、挙筋腱膜を用いての定量の際、カーブ形状が急峻となる場合にはミュラー筋タッキングに切り替えるようにします。
その他、術前にドライアイを有する例では術後のまぶたの閉じやすさは眼表面の安定において重要であるため、柔らかい筋であるミュラー筋を用いるほうが有利です。特に先天下垂の要素があるまぶた(組織が硬い)では閉じやすさを優先してミュラー筋タッキングを選択することがよくあります。一方、術後の一過性の戻りはミュラー筋タッキングの懸念点であり、その対策として症例写真のようにやや過剰ぎみに挙げておくことも戦略のひとつと考えます。

余談ですが、本術式は眼科医の間ではよく施行されている一方、形成外科の領域ではほとんど行われていないようです。ミュラー筋は自律神経の一つである交感神経支配を受けており、ミュラー筋に傷を付けることは自律神経に関連した有害症状を引き起こす原因になると考えられているためです。しかし、実際にそのような合併症について明確に記した報告は現在までに存在せず、眼科医のほうではミュラー筋障害による症状に対しては非常に懐疑的な見方をしています。この点に関しては今後の研究が待たれるところです。



 
2023年07月21日 07:14

眼瞼下垂手術のバリエーション:前転組織による違いについて

図です
本日は眼瞼下垂手術のうち、国内で広く行われている”切る手術”についてご紹介したいと思います。やや専門的な内容になりますが、なるべく解りやすく説明するつもりですので頑張ってついてきて頂ければと思います(笑)。以前、切らない眼瞼下垂手術のバリエーションについて書きましたが、切る眼瞼下垂手術についても手技の細かい部分での違いなどの観点から様々なバリエーションが存在します。それらを一括りに分類していくことはやや無理があるのですが、どの組織を操作(前転)するのかといった観点で各術式を眺めてみるとそれぞれの特徴を掴みやすいのではと思いますので、本日は切る下垂手術の分類を説明したいと思います。このうち単一の術式のみしか行っていない施設もあるかと思いますが、眼瞼下垂の病態や程度は千差万別であり、ある程度術式の使い分けをできたほうが、良好な結果を出し続けやすいのではと思われます。

まず眼瞼(まぶた)の解剖について簡単に述べます。眼瞼内には眼瞼挙筋が存在し、この筋の収縮がまぶたに伝わることでまぶたが開きます。伝わると書いたのは、眼瞼挙筋自体がまぶたに直接繋がっているのではなく、筋の先端が眼球の直上付近で挙筋腱膜とミューラー筋の二つに枝分かれし、これらがまぶた内部を併走したあと、まぶた末端に付着しています。従って、実際の手術では挙筋腱膜およびミューラー筋の単独もしくはその両者の前転が行われています。前転というのは、標的の組織に糸を掛けて手前側に牽引を掛けた状態で固定することをさし、この操作によって眼瞼挙筋の張力を増やすことができます。前転の標的組織として、①挙筋腱膜、②ミューラー筋、③挙筋腱膜とミューラー筋の3種類となります。

挙筋腱膜前転:開閉瞼の2つの動力源のうち挙筋腱膜のみを前転する方法で、国内の形成外科や眼科、海外を含めて最も一般的に行われている術式です。ミュラー筋よりも矯正力が高く(まぶたを挙げやすい)、再発も少なく、また組織へのダメージも少ない点などが利点です。ただし、その矯正力の高さから、場合によっては上まぶたのカーブが急峻となりやすい点や閉瞼のしにくさなどが欠点といえます。

ミューラー筋前転(タッキング):挙筋腱膜は触らずにミュラー筋のみを前転する方法で、主に国内の眼科で広く施行されている術式です。生理的なカーブ形状を出しやすい、閉瞼がしやすいなどの特徴があり、手技としても筋へのアプローチが容易で、組織へのダメージも少ない利点があります。欠点としては矯正力が挙筋腱膜より弱い傾向にあること、術後にやや戻りがある点などが挙げられます。

挙筋群前転:挙筋腱膜とミュラー筋の両者を前転する方法です。矯正力の点では最も強力な方法であり再発も少ないといえますが、組織へのダメージが大きい点が欠点といえます。

当院では矯正力の安定感からまず①挙筋腱膜前転を選択します。そして定量時に生理的カーブ形状が得られにくい場合(三角目など)には②ミュラー筋タッキングに移行するようにしています。
施設によっては単一の術式のみしか対応していないところも多いですが、上記に記してきたように、状況に応じて術式を使い分けできることは非常に大切です。当院では切らない手術だけでなく、切る手術でも豊富な治療経験があり、様々な状況において最適な選択肢をご提供できるよう常に心掛けています。是非安心してご相談にいらしてください。
2023年07月20日 16:11

下垂手術ではどこを切っているのか?皮切ラインにおける考察

皮膚切除のデザイン
経皮膚での二重切開術や眼瞼下垂手術の際、一体どこを切っているの?と疑問に感じる方も多いかと思います。経皮膚の手術の場合、切開ライン上で二重(ふたえ)を作成し直すのですが、この切開ラインと二重作成の間には実は密接な関係があります。本日は切開ラインにまつわる話しをしたいと思います。

写真は眼瞼下垂手術の際のデザインを示しています。デザインとは予定切開ラインのことで、描かれている3本のラインは下が予定切開ライン、中央が生来の二重ライン、上が皮膚切除のラインになります。ちなみに手術では予定切開ラインから皮膚切除のラインまでに囲まれた領域を切除する方針のため、中央のラインは今回説明のため便宜的に書いています。つまり手術で切開するラインは生来の二重ラインとは異なることが一般的です。仮に、生来の二重ラインで切開しそこで二重作成をしてしまうと、とても広い二重幅になってしまい機能的にも整容的にもまずい結果を招くことになります。なぜ本来の二重ラインであるにも関わらず、このようなことになるのでしょうか?

その原因は生来の二重によって作られる陥凹と手術で作られた陥凹の違いに起因します。生来の陥凹にはそこに多くの皮膚を納めておくことのできるスプリング様の柔らかさがあります。しかし、一旦人工的に二重を作成してしまうと、その柔らかさが失われて、陥凹内のスプリング機能が低下します。つまり、作られた二重ではその内部に納めておける皮膚の量が減少してしまうことになります私の経験上、少なくとも5,6mmは違いがあるようです。人工的に作られた二重はどんなに綺麗な容姿であったとしても生来生まれ持った二重とは根本的に作り(機能)が違うものなのです。

見方を変えますと、人工的な二重では生来の二重の状態よりも、相対的に皮膚余剰が出てしまうと言い換えられます。このことは経皮膚の下垂手術において、術前と同様の二重幅を維持するためには少なくとも5,6mmは皮膚を切除する必要があることを意味しています。因みに切らない下垂手術では生来の二重を維持できるため今回の件は必ずしも当てはまりません。切らない下垂手術は皮膚切除を併施できないことが欠点としてよく問題にされますが、上記の点については理解しておく必要があると考えます。本日は切開ラインにまつわるお話でしたが、お分かり頂けましたでしょうか?

 
2023年06月21日 11:24

術後の二重瞼(ふたえ)の幅を決める要素とは?

プレゼンテーション5
眼瞼下垂手術を受ける際、手術後の二重瞼の幅がどの程度になるか、広い二重幅や反対に狭い二重幅(所謂、奥二重の状態)など大変気になりますよね!?意外に思われるかもしれませんが、術後の二重幅は様々な要因に左右されるため、完璧にコントロールすることは大変難しいことといえます。本日は術後の二重瞼の幅が何によって決まってくるのか、そのポイントについて解説します。

術後の二重幅は決める主要因には、①皮切の高さ(睫毛から何mmで切開するか)、②残りの皮膚の量③術後のMRD④眉毛の位置が挙げられます。①は感覚的に理解できると思いますが、高い位置で切れば広い二重になりますし、低い位置で切れば狭めの二重になります。②は切開デザインの上の高さと眉毛までの距離で計測します。残りの皮膚量が少なければ広い二重になりますし、多ければ狭めの二重になります。③は下垂手術における重要な要素であり、予定したまぶたの高さまで挙がらなかった場合には広めの二重になり、予定よりも挙がった場合には狭めの二重になります。④は術後における眉毛の位置の下降程度(通常、下垂治療後にはおでこの筋はリラックスする)のことですが、その程度が小さい場合には広めの二重に、大きい場合には狭い結果となります。

術前に決めておけることは①と②のみですので、予定の③を考慮しながら決めていくことになります。ちなみに④を正確に予想することは難しいとされます。
大事なことは術後の二重幅にとって①~④のいずれもが重要な要素であり、これらを組み合わせた結果として決まるものであること、一つの要因で決まってしまうほど単純ではないということを知っておいて頂ければと思います。

その他には二重の作成方法軟部組織の処理方法によっても二重幅は影響を受けますが、これについては後日またあらためてご説明したいと思います。

 
2023年04月28日 13:22

二重瞼(ふたえまぶた)と一重瞼(ひとえまぶた)の成り立ちについて

皮下穿通枝
美容外科領域では二重整形が活況を呈していますが、そもそもの疑問として、二重と一重の違いを分ける構造的な要因は何なのでしょうか?
はっきりとした二重を有する割合は白人はほとんどであるのに対して、アジア人では3割程度しかいないとされています(奥二重の方は3割程度)。
興味深い内容ではありますが、そのことについて明確に答えられる先生は少ないのでは?と思います。実は、二重と一重を決定づける構造的要因は未だはっきりとしていないのです。
そこで本日は二重と一重の構造的な違いに関連すると考えられている因子について説明したいと思います。

まず1960年代に、まぶたの開け閉めに関与する挙筋腱膜から皮膚へ伸びる枝、これを皮下穿通枝と呼びますが、この皮下穿通枝を有するまぶたか有さないまぶたかが二重か一重かを決める要因である”という説が発表されました。つまり皮下穿通枝が有るまぶたでは二重になり、無いまぶたでは一重になるという内容です。非常に有名な説ではありますが、実はその後の研究によって、一重まぶたの方であっても皮下穿通枝自体は存在することが確認されました。つまり、皮下穿通枝の有無は決定的要因ではないということのようです。ただし、後にも記載しますが、皮下穿通枝の発達具合は二重と一重の成り立ちに寄与している可能性はあると思います。さらに以下に挙げたその他の要因についても、ご遺体や手術の際に得られた検体等を用いた研究がなされています。
代表的なものに、①皮膚の厚み、②眼輪筋(まぶたを閉じる筋肉)の厚みや間隔、③眼窩脂肪の下降の程度、④ROOFの厚みや下降の程度などがあります。
まず①について二重と一重のまぶたでは、二重部位と二重部位に相当する部位の皮膚の厚みには違いがあるようです。つまり”二重まぶたは一重まぶたより皮膚は薄い”ようです。次に②ですが二重と一重の違いに関与している可能性が高いと考えられています。”二重まぶたの二重の折り込み部位に存在する眼輪筋の厚みは、一重の方の同部位付近に存在する厚みよりも薄い”という報告があり、これは二重切開術の際に眼輪筋を一部切除する根拠となっています(眼輪筋を薄くすることで一重まぶたを二重まぶたに変化させる)。③と④について、眼窩脂肪やROOFの下降程度は皮下穿通枝の発達程度に影響を与えていると思われ、臨床的にも脂肪(特にROOF)の発達したまぶたでは一重まぶたの方が多い印象があります。したがって上記の説にも関連していると考えられますが、現在のところ研究報告では二重と一重の間で脂肪の厚みや下降程度に明確な違いはないとされています。

本日は二重まぶたと一重まぶたの違いを分ける構造的要因について説明しました。まだまだ分からないことも多く今後の解明が待たれるところです。本日の内容が皆様のお役に立てましたら幸いです。

 
2023年04月01日 13:17

上まぶた内側の腫れについて

脂肪
上まぶたの内側の腫れが気になる方も多いと思います。これは上まぶたにある眼窩脂肪(内側)の前方へのせり出しによるものですので、しこりとは異なります。加齢変化(眼窩脂肪を押さえ込む眼窩隔膜の脆弱性)によるもののため、以前は様子見とされることが多かったのですが、適量切除することで内側の視野が広がったり見た目も良くなることから治療の対象として考えて良いかと思います。本日は上まぶた内側の眼窩脂肪についての内容です。

上まぶたの眼窩脂肪は内側と外側の2パートもしくは内側と中央・外側の3パートに分かれる方が多いとされています。それぞれのパートは眼窩後方において連結しているとされますが、このうち内側の眼窩脂肪はそれ以外の脂肪とは明らかに異なる特徴が2つあります。1つ目は脂肪の色あいで通常、脂肪は黄色味を呈するのですが、内側の脂肪は白っぽい色をしています。2つ目は加齢による脂肪萎縮が目立たないという点です。眼窩脂肪は年齢とともに全体的に萎縮する傾向にありますが、内側の脂肪は萎縮が進みにくいとされています。上まぶたの内側が腫れやすい理由は、内側の眼窩脂肪のみ加齢による萎縮が進まないことで部分的に取り残される結果、といえるかと思います。

上まぶた内側の腫れが目立つ場合、脂肪切除によって視野が広がることや見た目にもすっきりした印象が得られることから当院では希望のある方には積極的に切除するようにしています。
2023年03月08日 16:39

脂肪組織切除の効果について(ROOFと眼窩脂肪)

切り餅 イラスト図
前回のブログではまぶたの代表的な脂肪組織であるROOF(ルーフ)と眼窩脂肪、これらの特徴や手術に際しての注意点などを解説しました。
今回は脂肪組織を切除するとどのような変化があるのか、ROOFと眼窩脂肪それぞれの違いを交えて説明したいと思います。

ROOFにしろ眼窩脂肪にしろ、何らかの脂肪組織を切除するとまぶたの厚みを減じることができますが、その切除効果には両者で違いがあります。
前回ブログでご説明したように、ROOFは浅い層にシート状に存在しており繊維組織に密に囲まれた構造のため比較的動きに制限があり、その発達は張りのあるまぶた形状を司る要素になります。ROOF切除は浅い部位での操作になるため、まぶた形状を直接的に変化させやすく、場合によりまぶたの印象が大きく変わってしまうことがあります。
一方、眼窩脂肪はROOFよりも深い位置に存在し繊維組織に粗く囲まれた構造のため比較的動きに制限がなく、その発達は膨らみのあるまぶた形状に寄与します。眼窩脂肪切除は膨らみを緩和させる効果を有する一方、まぶた形状を変化させる効果は比較的マイルドです。そのため(当然、切除する量にも寄りますが)まぶたの印象を維持しやすい方法といえます。
このことを切り餅で例えますと(図参照)、表面を切って薄くするのがROOF切除であり切り方によっては餅の形状は変化してしまいます。他方、熱して膨らんで飛び出た中身を切除して萎ませるのが眼窩脂肪切除であり、餅の表面形状の変化は比較的目立たないのではないかと思います(笑)。

ROOFと眼窩脂肪をそれぞれ張りと膨らみで表現しましたが、どちらが優位に発達しているか事前に区別しにくいまぶたもあります。眼球を押してみて、膨らみが増せば眼窩脂肪優位と判断できるとされていますが実際には難しいこともあります。というのもROOFは眼窩脂肪よりも前にあるシート状の組織でありこれが下方まで発達していると奥にある眼窩脂肪を覆い隠してしまうからです。その場合には実際に手術で開いてみて、その場での判断が必要となります。

本日は脂肪組織切除の効果について、ROOFと眼窩脂肪での違いを含めてご説明しました。本日の内容が手術をご検討されている方のお役に立てましたら幸いです。

 
2023年02月15日 14:08

まぶたの厚みについて:ROOFと眼窩脂肪

ROOFと眼窩脂肪
ご存じのように、まぶたの厚みは人によって異なります。生来より分厚い人もいれば薄い人もいて、この違いは何に起因するのでしょうか?本日の内容は眼瞼下垂手術後の見た目に大きく関わる部分ともいえますので、本日はまぶたの厚みについての解説をしたいと思います。

まぶたは皮下の軟部組織や目を閉じる役割を持つ眼輪筋、脂肪、挙筋群、瞼板など様々な組織で構成されていますが、まぶたの厚みに関与する一番の要因は脂肪組織の多寡と言われています。まぶたの代表的な脂肪組織には眼輪筋下に存在するROOF(ルーフと呼ぶ)と眼窩内に存在する眼窩脂肪があり(図参照)、両者を隔てる眼窩隔膜の前にROOF、後ろに眼窩脂肪が位置します。ROOFは眼窩脂肪よりも浅い部位にあり、厚みのある線維性被膜に密に囲まれた状態にあるためその動きはほぼ制限されています。一方、眼窩脂肪はより深い位置にある挙筋腱膜の直上に存在し、薄い皮膜に粗く包まれているのみであり、まぶたの開け閉め(=挙筋腱膜の動き)に伴ってその位置が前後に変化します。

正面からみますと、ROOFは眉毛付近から睫毛側(下方)にシート状に伸びた構造をしています。一方で眼窩脂肪は眼球の後方に伸びて下まぶた側まで連続しており、眼球を後ろから支えています。ROOFはまぶたを守る毛布に例えられますし、眼窩脂肪は眼球を守るクッションであると同時に上まぶたに限ってみると挙筋腱膜の潤滑剤の役割を果たしています。

手術でまぶたの厚みを減らしたいご要望がある場合、主にROOFと眼窩脂肪の量を調節してまぶたの厚みを改善させます。ただし、脂肪切除には様々な合併症が想定されるため、上記に記載した解剖学的な特徴をよく理解した上で扱うことが肝要ですROOFは上述のようにその動きが制限されているため、ROOF切除が不均一になってしまうとまぶたの厚みにムラが生じてしまうことがあります。また、皮膚面に近い部位にあるROOFを乱雑に切除すると、瘢痕形成による皮膚との癒着が生じ、予定していない高い位置に二重とは別の皺が新たに出来てしまうことがあります。一方、眼窩脂肪の取り過ぎは凹んだまぶたになる危険性や、円滑な開閉瞼に悪影響を与える可能性があり過剰な切除は厳禁といえます。

最後に、脂肪組織は年齢とともに萎縮していく性質があるため、手術の際は理想とする厚みよりも控えめな切除にとどめておくことが何より大切です。脂肪切除を繰り返すなどして理想的な厚みを追求し続けたとしても、そのまぶたの状態は永くは続かないことを決して忘れてはいけません(これは私が敬愛するご高名な形成外科の先生のご意見ですが、私も全く同感です)。 

 
2023年01月06日 08:22

前額部(おでこ)の皺に対する眼瞼下垂手術の効果について

プレゼ
以前、当ブログで前額部(おでこ)へのボトックス注射による注意点について解説しました。今回は眼瞼下垂手術による皺の解消効果について手術前後の変化を示した症例をご紹介します。

写真 左:術前 右:術後1週間

67歳女性。3年程前からまぶたの重みや開けにくさを自覚されていた方です。写真では前額部の横皺を少し分かりやすくするため上方を向いてもらっています。術前は横皺が比較的目立ちますが、これは視界を確保するためや睫毛(まつ毛)に掛かる負荷を減らす目的でご本人が無意識に眉毛を挙げている結果で生じています。ご本人が意識せずに昼夜を問わず眉毛を挙上させているため横皺が形成されてしまうとともに、前額部の筋は頭頂部や首の後ろの筋と連続しているため難治性の頭痛や肩こりの原因にもなってきます。術後写真では明らかに皺が薄くなっているのがお分かり頂けると思います。眼瞼下垂手術ではまぶたの筋力を強化したり弛みを取り除くことことで眉毛を挙上させる必要性を大きく減らすことができます。その結果、先程の様々な症状を改善させることが可能です。一方、ボトックス注射では皺に対して直接アプローチするので皺自体への解消効果は高いのですが、眼瞼下垂は悪化してしまう傾向にあるため、まぶた周りの見た目が悪化したり頭痛や肩こりが根本的に改善することはありません。

当ブログでも以前から記載していますが眼瞼下垂手術の効果にはこれ以外にも様々なものがあります。今までの眼科診療では「しばらく様子をみてみましょう」と放置されていた状況を大きく変化させる可能性を持った治療です。まぶたでお悩みの方のお役に立てましたら嬉しく思います。
 
2022年11月09日 10:59

Medical DOCより「切らない眼瞼下垂手術」について取材を受けました

サンプルF
先週に引き続き、GENOVA社のメディカルドックという医療情報サイトから、「切らない眼瞼下垂手術」について今回、取材を受けました。通常の切る手術や埋没法などとの違いについて、一般の方にも分かりやすく解説しています。興味のある方は是非一度ご覧ください。https://medicaldoc.jp/m/column-m/202208p2900/
2022年10月15日 09:21
診療時間
 
AM 手術 - - 手術 -
PM - - 手術 手術 - -
9:00~12:00/14:30~17:30
「●」は9:00~13:00
休診日:火・水・日・祝日
受付開始は診療開始15分前から、受付終了は診療終了15分前まで。
学校検診は事前にお電話でのご予約が必要となります。
03-5761-4406
東京都狛江市和泉本町4-2-13 SANTE SAKAE 102

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