まつだ眼科形成外科|東京都狛江市

眼科一般診療をはじめ、まぶたや涙目に対する高度な治療を行います。

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眼瞼下垂手術後の上眼瞼溝の変化について

プレゼンテーション3

今回は眼瞼下垂手術後の上眼瞼溝の変化についてご紹介します。上眼瞼溝とは眉毛部の少し下方にある凹みのことで、眼瞼下垂を発症するとこの陥凹がより目立ってきます(上眼瞼溝深化)。この上眼瞼溝の変化は、眼精疲労の原因となるだけでなく、疲れた表情や以前よりも年老いた目元に見えることから整容面における不利益に繋がります。

眼瞼下垂を発症すると、なぜ上眼瞼溝深化が生じるのか、はっきりとした定説はまだありません。多数の手術所見から推察すると、まぶた内部の脂肪組織(眼窩脂肪)が奥に引き込まれた状態となっていることと関係がありそうです。症例写真は左側のみ眼瞼下垂手術を施行した例になります。左側では手術前に見られた非常に深い上眼瞼溝の凹みが術後にだいぶ浅くなり、その結果、若々しい目元になっていることがお分かり頂けます。これは、まぶたを挙上する筋を前方に引き出し固定する際に脂肪組織も同時に引き出されることに起因します。とするならば、術式によっても上眼瞼溝の変化の程度は変わってくるかもしれません。このあたりは今後の課題とさせて下さい。

高く引き上がった左眉毛も術後には落ち着いた位置になりました。以前少しお話しした機序によって、頭痛や肩こり、眼精疲労、うつなどの精神状態も改善されることが期待できます。眼瞼下垂手術の効用には実に様々なものがありますが、視力や眼圧といった眼科的検査での数値では表しにくいことから、ともすれば”年のせい”にされてしまい治療の機会を逃してしまう場面もまだまだ多いと思われます。まぶたでお悩みの方は是非一度ご相談ください。

想定される合併症:眼異物感、皮膚のたるみ、再発
費用(保険適応の場合):片側 1割負担 7200円 3割負担 21600円 

2021年06月05日 22:24

自然な二重瞼(ふたえ)作成のポイント

プレゼンテーション12

経皮膚眼瞼下垂手術で行われる二重瞼(ふたえ)作成は、まぶたの機能面や整容面の良し悪しに関わる重要な工程の一つです。様々ある眼形成手技のなかで基本的なテクニックといえますが、自然な二重瞼を作成することは決して簡単なことではありません。ここでは、二重瞼作成における整容面のポイントについて解説したいと思います。埋没法による二重瞼作成とは異なりますのでご承知おき下さい。

自然な二重瞼を作るために必要なことは何か、これに答えるためには、反対に自然ではない二重瞼を想像してみると解りやすいかも知れません。”いかにも手術を受けました(笑)”といった感じのまぶたでは、二重瞼部位の皮膚面の陥凹が強すぎるケースがほとんどです。特に目を閉じたときに目立ちやすく、これがあるとどうしても人工的な二重瞼にみえてしまいます。

そこで皮膚面の陥凹が強くなりすぎる原因について考えてみます。主に①二重瞼縫合の部位が深すぎる場合、②軟部組織を切除しすぎた場合、③皮膚切除をしすぎた場合の3つが挙げられるかと思います。このうち①と②は油断するとついやりがちなため特に注意が必要です。自然な二重瞼作成のためにはこれらに対する十分な理解が不可欠といえます。

症例写真をご覧いただくと、目を閉じた際の二重瞼部位の陥凹は自然なレベルにとどまっていることがお分かり頂けます。当院は保険診療を主としたクリニックですが、自然な仕上がり具合をご提供できるよう常に心掛けております。まぶたでお悩みの方はお気軽にご相談ください。

想定される合併症:眼異物感、皮膚のたるみ、再発
費用(保険適応の場合):片側 1割負担 7200円 3割負担 21600円 

2021年06月01日 17:22

眉毛下皮膚切除の例

プレゼンテーション4

まぶたのたるみによる視界不良のお悩みで来院された方の例です。まぶたのたるみはまぶたの縁が下がる真の眼瞼下垂とは異なり、偽眼瞼下垂と呼ばれます。たるみ治療には様々な手術法があり、代表的術式の一つに眉毛下皮膚切除があります。形成外科や美容外科などで”上眼瞼リフト””眉下切開”などと言われるものと同一の術式です。

写真のようにぶ厚いまぶたの方、外側部を中心にたるみが強い方、眉毛が濃い方、二重を有する方、などが良い適応となります(写真使用を許可して下さり有り難うございます)。

本術式は、分厚い眉下の皮膚切除によってまぶたのたるみを解消させる方法で、デリケートな瞼縁部(二重まぶた)の皮膚をそのまま残せることが最大のメリットです。また、目の上に垂れた厚みのあるまぶたがリフトアップされるため、まぶたの厚みを減らす効果も期待できます。

欠点は眉下のラインに沿ってできる傷跡ですが、適応選択を間違えない、切開デザインの工夫、丁寧な縫合などの対策によって傷跡は極力目立たなくすることが可能です。

繰り返しになりますが、まぶたのたるみに対しては様々な治療法があります。当院では、お一人お一人のまぶたの状態に合わせた最適な方法をご提案させて頂きますので、たるみでお悩みの方は是非一度ご相談ください。

想定される合併症:瘢痕、創部の赤み、再発
費用(保険適応の場合):片側 1割負担 6070円 3割負担 18210円 

2021年05月14日 20:48

眼瞼下垂の再手術の例

プレゼンテーション1

眼瞼下垂手術を過去に受けたことがある方の再手術例です(写真使用を許可して頂き感謝致します)。この方は”他院で2度、眼瞼下垂手術を受けるも改善が無かった”とのことで当院に相談に来られました。

再手術のプランですが、前回の切開ラインは理想よりもだいぶ高い位置にあり、低い位置に新たな重瞼ラインを設定し直しました。下垂の矯正に加え、前回切開ラインまでの間の皮膚切除も行っています。手術後、”明るく見えるようになり、まぶたの重みも取れて頭痛や肩こりからも解放されました”と大変喜んで頂けました。
頭痛や肩こりが手術後に改善するメカニズムですが、前額部(おでこ)から頭頂部を経由して後頭部まで連続している筋の緊張が治まることによるとされています。眼瞼下垂を発症すると視界を確保するため無意識の眉毛挙上がなされこの状態が続いてしまう(筋の持続的な緊張状態)と、薬物療法でも改善しない頭痛や肩こりを招く結果となります。手術後には眉毛の位置が下がって落ち着いた目元になっていることが術前後の写真からも分かります。

また、眼瞼手術を過去に受けたことがある場合、まぶた内部の構造が変化してしまっており、再手術は一般的に難易度が高いとされています。当然ですが、”切らない眼瞼下垂手術法”は適応になりません。

でも、大丈夫です。当院は皮膚切開による通常の手術方法や他院手術後の修正術なども含め豊富な治療実績があります。お一人お一人のまぶたの状態に応じた最適なプランをご提案できるかと存じます。まぶたでお悩みの方や他院で治療を断られた方など、安心してご相談にいらしてください。

想定される合併症:眼異物感、皮膚のたるみ、再発
費用(保険適応の場合):片側 1割負担 7200円 3割負担 21600円 

2021年03月28日 18:38

切らない眼瞼下垂手術の例

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切らない眼瞼下垂手術前後の写真です (写真使用を許可して頂き有り難うございます!)。疲れた目元の表情であったのが、生き生きと若々しい感じになりました(笑)。

術後1週間の写真ですが、まぶたの腫れや皮下出血は目立たないのがお分かり頂けますでしょうか(=ダウンタイムが短い)。皮膚を切らないことから、本来の目元の雰囲気をくずさないことが大きな利点です。ご本人に手術中や術後経過での痛みについてお聞きしたところ、全く感じなかったとのことで、その点についても大変安心致しました。

若い方からお年寄りまで幅広く適応になり得る術式です。まぶたでお悩みの方は、是非一度お気軽にご相談ください。

想定される合併症:眼異物感、皮膚のたるみ、再発
費用(保険適応):片側 1割負担 7200円 3割負担 21600円 

2021年03月20日 17:30

切らない眼瞼下垂手術の欠点とは?

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前回・前々回と登場した経結膜挙筋腱膜タッキング法に関して、今回はそのデメリットとそれらの対策について書いてみようと思います。前回記載したメリットと対比しながら読んで頂ければ幸いです。それではいきましょう。

① 同一術野から皮膚切除を併施できない

② 下垂矯正程度の微調整が難しい

③ 角膜障害のリスク

まず、①は私が本術式について発表をするたびにご指摘を頂く点です(笑)。経皮膚法では、下垂手術(まぶたを挙げる)と同時に余剰な皮膚切除がしばしば行われます。一方、経結膜法は皮膚だけでなく、まぶたの中にある脂肪や軟部組織の切除も一般的に難しいと思われます。経結膜法の際に皮膚切除を別の術野として併施することは可能ですが、その場合、皮膚面に傷を付けない、短い手術所要時間といった経結膜特有の利点が損なわれてしまうことになります。

しかしながら経皮膚法と皮膚切除の同時手術は、重瞼幅(ふたえの幅)の程度予測がやや難しい点は注意する必要があります。重瞼幅は様々な要因で変化しますが、皮膚切開の高さは一定とすると、主にまぶたの挙がりと余剰皮膚量に影響を受けます。経皮膚法では皮下への麻酔によって皮膚が腫れるため、皮膚切除量の見積もりは下垂矯正の前に済ませておくことが一般的ですが、下垂矯正の結果、まぶたが予定していた高さよりも挙がりすぎた場合、重瞼幅は狭く(奥二重ぎみ)なり、反対に予定よりも挙がりが悪かった場合には幅の広いふたえとなります。重瞼幅は整容面を決定づける大事な要素の一つと以前お伝えしました。もしも多量の皮膚切除を行ったあとに下垂の矯正が思うようにいかなかった(挙がりが悪い)場合、とても広い重瞼幅となってしまい整容的に奇異な目元になる危険があります。経皮膚法で下垂手術と皮膚切除を同時に行うことは、術後の重瞼幅を予測する観点からは、ややリスクの高い行為といえます。なるべく希望どおりの重瞼幅にしたい場合、初回手術では下垂の矯正のみにとどめ、腫れが引きまぶたの高さが決定したあと、二期的に皮膚切除を行う方針とするのが良いかと思います。

経結膜法ではまぶたの腫れが少ないため、下垂矯正と同時に余剰皮膚量の見積もりがしやすく、下垂矯正と皮膚切除を併施する方法は、重瞼幅の予測の点からはむしろメリットになりえます。術野が異なる煩わしさはあるとはいえ、皮膚切除との同時手術は整容面では経結膜法に軍配が上がるのではないでしょうか。

②については手技的な問題です。まぶたの高さの調整は、筋への通糸部位を前後方向にずらしておこないます。本術式は、10mm程度の狭い術野であり、まぶたの裏側からの作業であるため、高さの微調整はやや難しい作業となります。術野を横方向に広げることで作業はやや容易にはなりますが、生理的なまぶたのカーブ形状を作るため固定点を増やすなどの必要が生じるかと思います。術野の状態と手術手技に対しある程度の慣れが必要かと思います。

③ 結膜面と眼表面は接しているため、眼表面を傷害してしまうリスクがある点を念頭に置く必要があります。まぶたは挙がったとしても、術後にゴロゴロと目が痛む状態では眼科医にとっては本末転倒であり最も避けるべき合併症です。

ただし、この合併症は未然に防ぐことができます。角膜障害が発生するパターンは決まっており、切開部位の誤りと縫合部の処理が不適切の2つに分けられます。その対策ですが、切開部位は瞼板よりも上方の結膜面におき、瞼板を切開しないように注意します。縫合部位は瞼板上端ではなく腱板の前面に置くとともに縫合部がほどけない程度の短い糸切りが必須です。この2点をしっかりと守ることで、角膜障害は可及的に防げますので、それほど恐れる必要はありません。

以上、私が考え得る本術式の欠点とその対策について説明してきました。まだ他にもありますよ、といったご意見(or ご叱責)がございましたらご指摘頂けると幸いです。

2021年03月12日 17:52

切らない眼瞼下垂手術の利点とは?

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前回の記事では切らない眼瞼下垂手術とは何か?のテーマで、経結膜法の全体像について説明させて頂きました。そこでは私が日々おこなっている経結膜挙筋腱膜タッキング法のことも実際の手術動画を含めてご紹介しました。本術式は経皮膚法と比較すると、多くの利点を有する術式といえますが、今回はそのメリットについて書いていきたいと思います。以下に列挙します。

① 皮膚に傷跡が残らない

② 皮下出血・腫れが少ない

③ 高い矯正効果

④ 術中定量との相違(ズレ)が少ない

⑤ 整容面での左右差が生じにくい(特に片側のみの手術例)

⑥ 兔眼が出にくい

⑦ 短い手術所用時間
⑧ 麻酔時の痛みが少ない
⑨ 皮下の瘢痕が少ない

⑩ 電気メスやレーザーメスなどの機器が不要

それでは一つずつ説明していきます。

まず、①と②は経結膜法全般に当てはまります。皮膚面を切開しないことは傷跡が残らないだけでなく、まぶたを開ける際の自然な二重の動きが再現されます。また、術後のダウンタイムが極めて短いことから早期社会復帰が可能です。実際、手術を受けた方から、”まぶたは挙がっていても、手術を受けたことを周りの方に気付かれなかった”との喜び?驚き?のお声を頂くことがあります。

続いて、③についての説明です。まぶたを引き上げる筋の走行は、眼球に近い結膜側の深部から手前に伸びています。そのため結膜からのアプローチでは、狭い範囲の術野であっても筋の深部への到達が容易であり、筋の前転量を稼ぐことができます(=重度の下垂でもまぶたを挙げやすい)。経皮膚法では必発である一過性の兎眼(目が完全に閉じれない)が本術式であればほとんど生じないことも前転量を稼げることに一役買っています。重度下垂や先天眼瞼下垂など難易度の高い例にも有効とされ、挙筋群短縮や前頭筋つり上げ術などの侵襲の高い手術法を回避できることが多くあります

④ 術中定量とは、手術中にまぶたの高さや形状などが適切な状態にあるか確認する作業のことをさします。良好な手術結果を得るための大切な工程といえますが、まぶたの腫れや麻酔薬の影響などで術中定量が不正確となってしまうことがあります(術後しばらくしてからまぶたの高さが変化してしまう・・・)。この点は術者・患者さん双方にとって大きな懸念事項といえます。しかしながら本術式では腫れがほとんど生じないこと、少ない麻酔使用量(経皮膚法の1/3程度)であることから、正確な術中定量が担保されやすく、以前よりも自信をもって手術を終えることができるようになりました。また、手術で触る範囲は狭い範囲に限定されるため、まぶたの形態が維持されやすく、自然な形での挙がりが期待できます

⑤ 左右の違いは、例えわずかな差であったとしても気付かれやすく、それが目元であればなおのことと思います。まぶたの高さの左右差のみならず、重瞼(ふたえ)幅の左右差は特に整容的に不利な結果になるとされています。片側のみの眼瞼下垂に対して経皮膚法を選択した場合、まぶたの高さ・カーブ形状・重瞼幅のすべてを左右差なく揃えるのは熟練した術者であってもなかなか難しいといえます。しかしながら、本術式を用いた場合、正確な術中定量・形状維持のしやすさ・重瞼の状態をくずさない、といった特徴から先の3要素を揃えることは比較的容易にでき、整容面での優位性も大きい術式といえます。

⑥ は先に述べましたが、皮下への麻酔は不要なため眼輪筋(目を閉じる筋)の麻痺は生じることはないといえます。手術直後においても閉瞼可能なことから、ドライアイに起因した症状や角膜障害などは通常みられず、”目に優しい術式”といえます。

⑦ 本術式に要する時間は、術中定量も含め、通常5分程度です。先天下垂など難易度の高い症例においても10分を超えることはまずありません。短ければ全て良し(笑)、、とは言えませんが患者さんの負担が少ないことは確かです。

⑧ 結膜への麻酔薬注射は、皮膚側への注射(経皮膚アプローチ)よりも痛みは少ないです。

⑨ 何らかの理由で再手術を要する場合、今度は経皮膚法を選択するのが無難と思われますが、前回手術の影響で生じた硬い瘢痕は、結膜側のわずかな範囲に限定され、皮下には生じません。一方で、経皮膚法の手術歴のある方の場合、前回切開部位の皮下に硬い瘢痕を生じており、不利な点として麻酔が効きにくく術中の痛みを感じやすいです。術野の展開も前回手術の影響を受けることになりますが、仮に初回手術が経結膜法であったとすれば術野の展開はあたかも初回手術のごとく行うことができます。

⑩ は術者側にとってのメリットといえます。電気メスやCO2レーザーなどの高額な機器は不要であり、メスと剪刀といった外来処置レベルの器具があれば施行可能です。

以上、私が考えうる本術式の利点についてご紹介しました。まだ他にも私自身が気付いていない利点があるかもしれません(笑)。次回は本術式のデメリットについても記してみたいと思います。

 

2021年02月20日 22:26

切らない眼瞼下垂手術とは?

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まぶたが垂れ下がり視界が狭くなる疾患を眼瞼下垂といいます。加齢や目の手術歴、一重瞼、コンタクトレンズ装用、まぶたをこする癖、などは眼瞼下垂の発症リスクといえます。眼瞼下垂に対する手術法には挙筋腱膜前転、挙筋短縮術、ミュラー筋タッキングなどなど、バラエティーに富んでいるようにみえますが、まぶたを挙上させる筋力を増強する、という点ではいずれの方法も大差はありません。一方、まぶたへのアプローチ法には皮膚側(前面)からの経皮膚法と、結膜側(後面)からの経結膜法の2通りがあり、どちらのアプローチ法を選択するかによって、手術結果に大きな違いがでてきます。

最近、広告などでよく”切らない眼瞼下垂手術”といったワードを聞いたことがある方も多いと思います。この”切らない”とは、”皮膚を切らない”ことを表す訳ですが、それと同時に経膜側からのアプローチを意味します。経結膜法では皮膚面に傷跡は残らないうえ、経皮膚法で避けることの出来ないまぶたの腫れや出血といった術後合併症も極わずかです(=ダウンタイムが極めて短い)。

しかし、ここで注意して頂きたいことがあります。国内の形成外科や美容外科における、切らない眼瞼下垂手術(=経結膜法)の大半は、”埋没法による手術”を指すという事実です。埋没法とは経皮膚法のように創部を展開することなく、結膜面から筋肉(と思われる)部位に通糸する方法です。埋没法では肝心の筋肉を直視することができないため、手術効果の確実性や永続性(再発が少ない)は必ずしも担保されません。つまり、まぶたの挙がり具合が不十分であったり、手術時には挙がったとしても、またすぐに落ちてしまうといったことが起こりえます。埋没法は簡便な方法ではありますが、経皮膚法の裏返しということではなく、全く異なる方法といえます。

そこで、経結膜法の利点を生かしながら、経皮膚のような効果が得られる方法を考案してみました。名付けて”経結膜挙筋腱膜タッキング法”です。本法は結膜を切開し創部を展開後、直視下に筋肉を露出させるため、常に安定したまぶたの挙上効果を得ることができます。この術式を用いるようになってから、傷が出ない、手術後の腫れや出血が抑えられるといった経結膜の利点だけでなく、手術結果についても経皮膚と同等、もしくはそれ以上のものを期待できるようになりました。参考までに手術動画へのリンクを付けておきます(実際の手術ビデオですので、苦手な方は視聴をご遠慮ください。)
https://youtu.be/qvpMvNKMZLU

”本術式を教えて欲しい”、とお声掛けくださった先生方から”こんなに簡単に綺麗にまぶたを挙げられるなんて驚きました”といった嬉しいお言葉を頂きました(笑)。

結膜の切開は我々眼科医にとって馴染みある手技であり、本アプローチ法は眼球を管理できる眼科医が手掛けるべき方法であると思います。
”切らない眼瞼下垂手術”は、一見すると魅力的に聞こえるキャッチフレーズではありますが、実際の中身についてよく調べてから(主治医とよく相談のうえ)治療を受けられることをお勧め致します。

2021年01月10日 11:58

眼形成webセミナー講演しました。

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先日、眼科関連の企業共催のもと、眼科医師向けに眼形成関連の話題でセミナー形式の講演をしました。学会などで話す機会はそれなりにありますが、webでの講演は初めての経験であり緊張しました。視聴して頂いた先生方には、改めまして御礼申し上げます。

題目は、”日常診療でよく出会う眼形成疾患の診断と治療”としまして、眼瞼下垂(まぶたが下がる)、眼瞼内反(逆さまつげ)、眼瞼腫瘤(目周りのしこり、イボ)、流涙症(なみだ目)における診断と治療のエッセンスについて40分間お話ししました。企業共催の講演会でしたが、話す内容は先生のお好きなように、とのことでしたので(講演会でよくあるのが、共催企業に関連のある話しに話題が限定されてしまうことも多い)、普段の学会などではあまり話さない(話せない??)ような当院での経験を色々とお伝えできたかと思います。

眼形成は眼科の専門分野の中でもニッチな領域であることは以前よりお伝えしていますが、日常の眼科診療において眼形成の診察や治療が必要とされる場面は決して少なくありません。一例をあげますと、眼科で日常的に行われている内眼手術(白内障手術や硝子体手術)の後、手術の後遺症として眼瞼下垂を発症してしまう確率は11.4%に達すると言われています。つまり、目の手術を受けた10名のうち、少なくとも1名は手術前よりもまぶたが落ちてしまっているということになります。また、長期間のコンタクトレンズ装用が眼瞼下垂を発症するのはよく知られた事実ですが、その頻度はハードレンズ装用者では17倍の発症リスク、ソフトレンズ装用でも8倍のリスクがあるとされています(未装用者との比較)。コンタクトレンズが市場に出回るようになってかれこれ30~40年以上経過していることを考えると、眼瞼下垂の患者さんは今後も増加の一途をたどることが予想されます。

また、治療面においても眼形成のテクニックが役に立つ場面は多くあります。例えば、まぶたの炎症や涙目に点眼や眼軟膏を長期間処方されるも、全く改善しない患者さんがいるとします。このような方に、シンプルなまぶたの皮膚切除をおこなうだけで永らく悩まされていたつらい症状から解放されたといった例や、一重まぶたの若い患者さんが重瞼術(二重手術)を受けた結果、尾毛を使わずにクリアな視界が得られるようになった、といったこともしばしば経験されます。

誤解を恐れずに言うと、多くの眼科医はこういった事実や治療の可能性に気付けていない(もしくは重要視していない?)これが(残念ですが)眼科医療の現状と考えられます。しかし、裏を返せば、他の眼科医や患者さんに対して広く情報発信できていない、我々(眼形成外科医)の責任ともいえると思います(反省要・・・)。

永らくまぶたの疾患や涙目などで悩んでおられる方々へ、適切なアドバイスが届く機会が増えるように、今後も講演や執筆活動を精力的に続けていきたいと思います。

2020年12月19日 21:29

眼瞼下垂症手術 同意書マニュアルを執筆しました。

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臨床眼科(医学雑誌)の2020年度版 増刊号が先月発刊となりました。患者説明同意書マニュアルと題して、手術や検査に際して患者さんに説明をするうえでのポイントを解説した本になります。そのうちの、眼瞼下垂症手術(挙筋短縮術、吊り上げ術)の項目を担当させていただきました。医学雑誌ですので、一般の方は知る機会はあまりないと思いますので、本日はその内容の一部を解説します。眼瞼下垂手術を検討されている方への参考になれば幸いです。

眼瞼下垂の手術を希望される患者さんが手術の内容をよく理解するために、機能面である矯正量(どこまでまぶたを挙げるか)と整容面の変化、この2点の意思確認が大切となります。

まず、矯正量ですがどの程度の高さが良いのか、ブジー(金属製の細い棒)などを用いて瞼を持ち上げて目元の感じを確認する(事前シミュレーション)をしながら決定します。その際、もともとドライアイ(乾き目)傾向の方や高齢者などでは高く設定しすぎないように注意します。挙筋機能といってまぶたを挙げる筋の筋力が弱い場合には、希望通りの高さにまで挙がりが足りない結果となることもあります。実際の手術ではまぶたの上がり具合を確認しながら微調整(術中定量)します。ただし、手術中のまぶたの腫れや血腫(血の塊)、麻酔薬などの影響によって、定量具合と術後の高さとの間に”ずれ”が生じることも稀ですがあります。

整容面では重瞼(二重のこと)の幅についての理解が最も大切で、希望の広さを事前に確認するようにします。ただし、重瞼幅は切開ラインの高さ、重瞼の折り込みの程度、余剰皮膚量や眉毛の高さなどによっても影響を受けるので、予定した通りの幅にならないこともあります。このあたりは術者の経験に最も左右される部分といえるかもしれません。術後のまぶたの腫れや出血についてはよく質問される内容ですが、手術方法によっても変わってきます。一般的には皮膚を切開するアプローチ法では、1~2週間程度、皮膚を切開しないアプローチ法では数日~1週間程度の腫れは出ると思っていてください。

眼瞼下垂手術は機能面と美容面での両立を求められる手術であり、上記に記した内容以外にも様々なチェック項目があります。眼に優しく、美しい仕上がりのまぶたを常に提供できるように眼形成外科医は日々腕を磨いています。

眼瞼下垂の手術は保険診療の範疇においては、整容面(見た目の部分)での修正は出来ないとされているため、初回の手術が何より大切です。満足のいく結果が得られるよう上記の内容を参考にしていただき、主治医とよく相談されてから手術を受けることをお勧めします。

2020年12月18日 00:27
診療時間
 
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PM - - -
9:00~12:00/14:30~17:30
「●」は9:00~13:00
休診日:水・日・祝日
受付開始は診療開始15分前から、受付終了は診療終了15分前まで。
眼鏡・コンタクトレンズ作成・学校検診は事前にお電話でのご予約が必要となります。
03-5761-4406
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東京都狛江市和泉本町4-2-13 SANTE SAKAE 102

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