まつだ眼科形成外科|東京都狛江市

眼科一般診療をはじめ、まぶたや涙目に対する高度な治療を行います。

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二重瞼(ふたえまぶた)と一重瞼(ひとえまぶた)の成り立ちについて

皮下穿通枝
美容外科領域では二重整形が活況を呈していますが、そもそもの疑問として、二重と一重の違いを分ける構造的な要因は何なのでしょうか?
はっきりとした二重を有する割合は白人はほとんどであるのに対して、アジア人では3割程度しかいないとされています(奥二重の方は3割程度)。
興味深い内容ではありますが、そのことについて明確に答えられる先生は少ないのでは?と思います。実は、二重と一重を決定づける構造的要因は未だはっきりとしていないのです。
そこで本日は二重と一重の構造的な違いに関連すると考えられている因子について説明したいと思います。

まず1960年代に、まぶたの開け閉めに関与する挙筋腱膜から皮膚へ伸びる枝、これを皮下穿通枝と呼びますが、この皮下穿通枝を有するまぶたか有さないまぶたかが二重か一重かを決める要因である”という説が発表されました。つまり皮下穿通枝が有るまぶたでは二重になり、無いまぶたでは一重になるという内容です。非常に有名な説ではありますが、実はその後の研究によって、一重まぶたの方であっても皮下穿通枝自体は存在することが確認されました。つまり、皮下穿通枝の有無は決定的要因ではないということのようです。ただし、後にも記載しますが、皮下穿通枝の発達具合は二重と一重の成り立ちに寄与している可能性はあると思います。さらに以下に挙げたその他の要因についても、ご遺体や手術の際に得られた検体等を用いた研究がなされています。
代表的なものに、①皮膚の厚み、②眼輪筋(まぶたを閉じる筋肉)の厚みや間隔、③眼窩脂肪の下降の程度、④ROOFの厚みや下降の程度などがあります。
まず①について二重と一重のまぶたでは、二重部位と二重部位に相当する部位の皮膚の厚みには違いがあるようです。つまり”二重まぶたは一重まぶたより皮膚は薄い”ようです。次に②ですが二重と一重の違いに関与している可能性が高いと考えられています。”二重まぶたの二重の折り込み部位に存在する眼輪筋の厚みは、一重の方の同部位付近に存在する厚みよりも薄い”という報告があり、これは二重切開術の際に眼輪筋を一部切除する根拠となっています(眼輪筋を薄くすることで一重まぶたを二重まぶたに変化させる)。③と④について、眼窩脂肪やROOFの下降程度は皮下穿通枝の発達程度に影響を与えていると思われ、臨床的にも脂肪(特にROOF)の発達したまぶたでは一重まぶたの方が多い印象があります。したがって上記の説にも関連していると考えられますが、現在のところ研究報告では二重と一重の間で脂肪の厚みや下降程度に明確な違いはないとされています。

本日は二重まぶたと一重まぶたの違いを分ける構造的要因について説明しました。まだまだ分からないことも多く今後の解明が待たれるところです。本日の内容が皆様のお役に立てましたら幸いです。

 
2023年04月01日 13:17
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