前額部(おでこ)の皺に対する眼瞼下垂手術の効果について
写真 左:術前 右:術後1週間
67歳女性。3年程前からまぶたの重みや開けにくさを自覚されていた方です。写真では前額部の横皺を少し分かりやすくするため上方を向いてもらっています。術前は横皺が比較的目立ちますが、これは視界を確保するためや睫毛(まつ毛)に掛かる負荷を減らす目的でご本人が無意識に眉毛を挙げている結果で生じています。ご本人が意識せずに昼夜を問わず眉毛を挙上させているため横皺が形成されてしまうとともに、前額部の筋は頭頂部や首の後ろの筋と連続しているため難治性の頭痛や肩こりの原因にもなってきます。術後写真では明らかに皺が薄くなっているのがお分かり頂けると思います。眼瞼下垂手術ではまぶたの筋力を強化したり弛みを取り除くことことで眉毛を挙上させる必要性を大きく減らすことができます。その結果、先程の様々な症状を改善させることが可能です。一方、ボトックス注射では皺に対して直接アプローチするので皺自体への解消効果は高いのですが、眼瞼下垂は悪化してしまう傾向にあるため、まぶた周りの見た目が悪化したり頭痛や肩こりが根本的に改善することはありません。
当ブログでも以前から記載していますが眼瞼下垂手術の効果にはこれ以外にも様々なものがあります。今までの眼科診療では「しばらく様子をみてみましょう」と放置されていた状況を大きく変化させる可能性を持った治療です。まぶたでお悩みの方のお役に立てましたら嬉しく思います。
2022年11月09日 10:59