前額部(おでこ)の横皺へのボトックス注射について
ボトックス注射は表情皺に対する高い皺消失効果があり、前額部の皺にも著効します。手術とは異なり注射するだけで改善が期待できるという手軽さも相まって、予備知識なく気軽に受けてしまう方も多いようです。しかし、こと前額部の注射では注意が必要で、注射後、まぶたが垂れる、重くなる、視界がみえにくくなる、といった症状が出てしまうことがあります。
本来、前額部の皺は眉毛を挙上する結果生じているものなのですが、この眉毛挙上の原因として代表的なものに眼瞼下垂があります。眼瞼下垂は上まぶたが落ちてくることで視界が遮られた状態をさし、生物学的にいうと危機的な状況といえることから、その状況を回避するため人は眉毛を挙上させて視界を確保しようとします。言い換えると、眉毛の挙上はまぶたが垂れるのを無意識に代償しているといえます。しかし、この代償機序の眉毛挙上はボトックス注射によってかき消されてしまうため、注射後にまぶたが垂れてしまい、先に述べた様々な症状が現れてきてしまいます。
前額部の皺は眼瞼下垂発症のサインである可能性があり、ボトックス注射の前に、まぶたの専門医(眼形成)の診察を受けることをお勧めします。
2022年08月17日 23:33