コンタクトレンズ長期装用による眼瞼下垂
男性患者さんより、「先生の書いてるブログには男性の例が少ないので参考にしずらい」とのご意見を頂いたので本日は男性例を挙げさせて頂きます(笑)。
コンタクトレンズ装用者による術前後の例になります。以前、当ブログで少し書きましたが、コンタクトレンズ長期装用(20年以上)は眼瞼下垂を発症させる危険性があります。ソフトレンズでもハードレンズでも起こりえますが、ハードレンズのほうが危険性は高いとされています。
発症機序として、① レンズ着脱の際、まぶたに触れることによる物理的要素、② レンズ装用中にまぶたの裏側から炎症が波及しまぶた内の組織が硬くなる要素、の2つが文献的に推定されています。①については、”まぶたをよくこする癖がある方は眼瞼下垂になりやすい”という事実から、その機序は理解しやすいかと思います。②についてはあまり知られていませんが、コンタクトレンズによる下垂症例を手術していると眼瞼内部の組織が硬くなっていることがしばしば経験されます。
①と②の要素のどちらがより発症に関与しているか、実は治療の観点からは非常に重要です。
多くのまぶた治療の教科書には、”コンタクトレンズによる下垂では手術に比較的容易に反応する(簡便に挙げられる)”と書いてあります。①の要素の関与が強い場合にはその通りなのですが、②の要素が強い場合、程度によっては治療への反応が非常に悪いことがあります。実際、症例の多くは①の要素の関与が強いために問題ないことが多いのですが、術前の段階では①と②を見分けることは難しいと考えられます。したがって、油断は禁物だよというお話しでした。
#写真使用にはご本人の許可を得ております。
想定される合併症:眼異物感、皮膚のたるみ、再発
費用(保険適応の場合):片側 1割負担 7200円 3割負担 21600円
2021年10月10日 09:19