まつだ眼科形成外科|東京都狛江市

眼科一般診療をはじめ、まぶたや涙目に対する高度な治療を行います。

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眼形成におけるエビデンスとは?

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医療行為をおこなう上でエビデンス(科学的根拠)の有無やその信頼度は学会発表や日常診療の場面においても重要視されています。医療におけるエビデンスは日々発行されている医学論文によって日々形成されていくのですが、論文にはどのような内容が書かれているか、皆さんご存知でしょうか?

論文には様々な形態があるものの、基本的構造は皆、概ね同様であり、ある行為と行為を比較するなかでその優劣を論じる内容になっています。比較をするためには、比較される対象が同様の指標で表される必要があり、さらに言えば、できれば”有り・無し”といった定性的な指標ではなく、定量的な数値であるほうが比較をする上で優劣の判定が容易であるといえます。

眼科では目の構造や機能を調べる検査機器の発展がめざましく、以前は定性的な評価がメインであった時代から、今は定量的な測定が当たり前の時代になりました。視力や眼圧(目の内圧)、角膜や網膜の詳細な数値データが容易に得られ、それらを用いた論文が数多く作られています。

しかし、こと眼形成においては、比較対象の定量化に関してとても弱い側面があります。その理由は、まぶたの善し悪しを評価する上での括弧たる定量的指標がないからです。まぶたは高さだけでなく、そのカーブ形状であったり、二重幅の均一性、引いては個人の美的センスによっても良し悪しの評価は変わるものであると思います。

そのため、眼形成はエビデンスが作られにくい分野であり、医師個人の経験やセンス(?)といったものが学会などで未だに発表されているといった現状があります。もちろん、そういったものを否定する訳ではありませんし、豊富な経験に基づいた知見は医学の発展に不可欠なものといえます。しかし、それのみでは眼形成は眼科領域の中でニッチな分野のまま、取り残されていってしまう、そんな気がするのです。

医学はあくまでもサイエンスであり、眼形成分野でも医師個人の経験だけでなくエビデンスに基づいた議論をし合える土壌が出来てくると良いなと思っています。

2020年12月12日 00:21
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